【診療日 木曜日午後】 肺や心臓、血管など循環器の疾患治療します。
外来血圧で140・90以上は高血圧です。ただし自宅で血圧を測定した場合には135・85以上で高血圧と言えるでしょう。若年者では上の血圧が130以上で高血圧だと思われます。日本高血圧学会がガイドラインを出していますのでご参照ください。
血圧の高い人は男性の場合、年齢%いるといわれるほど、男性にとっては頻度の多い疾患です。女性は閉経期を迎える前あたりから血圧が高くなってきます。
高血圧のほとんどが本態性高血圧と言われており、特定の原因は決定されていません。食塩、ストレスや生活習慣、肥満、遺伝、加齢、腎機能などなどが複雑に絡み合っています。女性ホルモンは血圧を抑える働きがあるため、閉経前の女性では高血圧の方は少ないです。
痛くもかゆくもなくて症状はないと言われますが、生活上の支障をきたすような症状はないということであって、実際には疲労感、のぼせ感、肩凝り、頭重感などがあります。動悸などはないことが多いでですが、一部の高血圧では脈が速い場合があります。この場合動悸という人もいます。
朝、目覚まし時計よりも正確に覚醒、起床できるような場合は高血圧である場合があります。特に早朝高血圧といって朝の血圧が高いような方は起床がつらいということは少なく、飛び起きることができるくらい朝から元気です。
原因が特定できる二次性高血圧以外は本態性高血圧です。本態性高血圧に特異的な検査データはありません。ただし合併症を引き起こしてくると検査データ、心電図、画像診断などに異常が出ます。
非薬物療法と薬物療法があります。併用することで効果が十分引き出せます。
なかなか実現できにくい要素で構成されます。減塩、減量、運動です。「糖尿病治療の実際」も参考にしてください。基本的な方針は糖尿病も高血圧も食事療法、運動療法といういみでは同様です。減塩は高血圧だけでなく、糖尿病にも必要な治療です。どの薬物療法もまずできそうなことをしてみましょうしてみましょう。1日だけでもしてみましょう。
減塩はほとんどできていないことが多いです。減塩しているという人と減塩していないという人とを比べたところ、塩分摂取量に変わりがなかったことが分かっています。減塩しょうゆよりはだし醤油のほうがいいといわれています。保存できる食品(つまり冷蔵庫に入る野菜とジャム以外の食品)はすべて含塩です。お米のご飯に合う食品(かけて食べたり)は塩分量が多いです。
肥満、肥満傾向(BMI25以上位)の方には効果があります。減量の基本はカロリーの適正化です。以下のようなことを実行できれば減量は成功します。しかしなかなかできないことが多いです。
運動で痩せるのはあまりお勧めしていません。というのはいずれ運動をやめてしまう人が多 く、運動をやめたのに食事量が変わらないため、簡単にリバウンドするからです。運動は続けることが目的だと思ってください。続けられる運動を選ぶこと。
ジムなどではトレーナーが運動をアドバイスしてくれますが、どちらかというと”トレーニング”であって運動能力の向上や脂肪燃焼ということが主眼となっていることが多く、いずれその負荷のために続かなくなることを多数見かけます。ジムに通いたい場合は体力の3分の2位でやめることです。ジムでトレーニングしている誰よりも劣等生で構いません。よもや隣の人よりも早くとか、数多くとか、負けないぞ、とか思わないでください。続けることが目的である場合はある意味ですこし余力を残しておいたほうがいいということです。
激しい運動をしなくてもトレーニングになります。ウォーキング、速歩でもよいのです。ストレッチでも十分な運動です。椅子に座っていても太ももを座面から 30秒あげることを10回とかだけでも十分な運動です。もっとも安上がりな運動は階段を上ることです。10階くらいまで同じペースで上りましょう。踏み外さないように気をつけてください。階段を下る必要はありません。
ジョギングないしランニングもよいと思います。ただし体重が多いうちはあまり勧められません。膝を痛めます。運動器を痛めると日常生活に支障が出る場合があります。運動器の損傷はスポーツをしたい体にとっては致命的です。1時間10km位のあまり早くないスピードでお願いします。
水泳はもっとも勧められるスポーツです。ただしプールに行かなければならないので、近くにプールがないとできません。どんな泳ぎでもいいのです。こつは呼吸がはやくならない程度のスピードで泳ぐことです。1kmを20-30分くらいでゆっくり泳ぎましょう。泳ぐ距離は1-2km。1週間に1度でもそういうチャンスがあるといいですね。他人とスピードを競ってはいけません。あくまで続けることが目的です。ゆっくり泳ぐと他の人の迷惑になる場合もありますね。大きなプールでは低速のレーンもあるのでそういう施設を利用できるとよいのですが・・・。
比較的安全で効果が期待できるようになりました。生活習慣の修正には時間がかかるので、まず降圧薬を使って、ある程度(120-130程度)の血圧に下げておいて、生活習慣の是正も同時に行い、調節していくのが理想的です。
降圧薬の種類は5種類に大別されます。詳しくは医療系のいろいろなサイトで紹介されているので参照してください。ここでは降圧薬選択上のいくつかの医者としての考えを述べます。
降圧療法の目的は服薬することではありません。服薬していればいいと思っている方はどうか考え直してください。降圧療法の目的は血圧を目標血圧まで①降圧させそれを②持続させることです。1つの薬剤では十分な効果すなわち①の降圧と②の持続は難しいことも多いのが現実です。そのため降圧薬は多くの場合2,3種類またはそれ以上を組み合わせてつかいます。なお高血圧の程度が弱い場合には1剤でもよい場合もありますで、または生活習慣の是正だけで服薬なしということもあります。
まず最初に使う薬です。
現在の主流はARBといわれる薬です。カルシウム拮抗薬という薬(ノルバスクなど) もよくつかわれます。いずれも降圧が十分であれば臓器障害の進展抑制にそん色はないと思われます。ただし薬剤間の効き目(降圧力)の差はあります。
1剤では十分な効果が得られない(降圧の程度、持続力)場合に加えます。
脈の打ち方が正常の範囲を超えて、早くなったり遅くなったり乱れてしまう状態をいいます。
ふらつきやめまいなどの症状から病気に気づくこともありますが、自覚症状がない場合もあります。不整脈は放置して全く問題のないものから、命に関わるものまで幅が広いため気づいたときには診察を受けるようにしましょう。
不整脈ははっきりとした原因がある場合と、原因がはっきりしない場合があります。主に下記のような原因があります。
脈が速くなる不整脈です。脈拍が速過ぎると血液を効率的に送り出せなくなり心臓がカラ打ちし全く血液を送れなくなることがあります。
自覚症状として動悸、息切れ、失神したり、胸が痛くなるなどがでる事もあります。
脈が遅くなる不整脈です。脈拍が遅い為に運動に必要な酸素を身体に送れなくなりめまいや息切れをおこしてしまいます。
自覚症状としては頭がボーっとする、目の前が暗くなる、失神や息切れなどがあります。
電気的刺激が規則的に起こることで心臓は規則的に収縮していますが、この正常の電気的刺激とは別の電気的刺激が発生することにより脈が乱れます。自覚症状としては、瞬間的に脈が飛ぶ、脈が抜ける、瞬間的にドキッとしたり、胸部の不快感を感じることがあります。
心電図検査を行いますが、一回の検査では不整脈が記録されないこともあります。その場合はホルター心電図(24時間心電図)を一日装着していただき不整脈の状況を診断します。
意識を失ったり、めまいを起こしたりする徐脈性不整脈の場合はペースメーカによる治療が効果的です。
頻脈不整脈の場合は生活習慣の改善や投薬治療でコントロールできることもありますが、高周波カテーテルアブレーション治療やICD(植込み型除細動器)治療が必要な場合もあります。