お知らせ ( 2008年8月 の記事 )

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2008年8月29日(金)

メンタルヘルス 産業医として

 産業医として最近の動向
 都市型産業衛生の特徴は何といってもメンタルヘルスです。
 産業医の役割は作業管理、作業環境管理、健康管理です。
 これは産業医が工場医であった時代の名残でもあります。
 しかし産業構造の転換と価値観の変化に伴い、産業医の役割が大きくシフトしてしまいました。
 特にサービス業を主体とする企業の安全衛生では70%はメンタルヘルスといっても過言ではないかもしれません。
 産業構造、価値観ばかりか、雇用形態の変化もメンタルヘルスがウエイトをしめてしまうおおきな要因です。
 つまり多くの企業がアウトソーシングを求める結果、労働者の帰属意識がほとんど生まれないという現実があります。アウトソーシングされた労働者はほとんどの場合、業務の一環としての仕事をこなせばよいだけとなり、働いている場所での個性的な存在理由はないような状況となります。
 昨日の報道では某人材派遣会社から派遣された労働者は業務の間、名前を呼ばれることもなく、某人材派遣会社の名前を呼ばれて、業務に当たったそうで、これなどは労働者を”個”としてあつかうのではなく、ロボットと同じような委託でしかないということなのでしょう。
 それは集団としての人間関係が形成されないばかりか、仕事の悩みなどの相談をする相手が全く存在しないことになります。
 つまり孤独なのです。仕事がうまくいっている時はよいのですが、若干の躓きでもあると、それを緩衝する集団が存在しないために、著しい孤独感にさいなまされます。
 この状況が現在のメンタルヘルス疾患の増大を促すおおきな原因といえます。


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2008年8月8日(金)

つながりのある生き方

 心身医学の認定医をとっているので、心療内科も少し診ています。
 その中で最近(という言い方が当たっているのかどうかわかりませんが)、20歳代のご相談の多くにつながりのない生活しているという印象を多く受けます。いわゆる孤独な生活を感じます。
 これは当たり前なことなのですが、このような感じをもってしまう方々は、まず家族との距離がありすぎる。親、兄弟を含めて。次に(真の意味で)話せる友人がいない。多くの場合パートナーが自分の話を聞く状態にない。聞く耳をもつかもたないかは別として。また、一緒に住んでいる住んでいないも別として。
 つまり自分をつなぎとめておく人間関係がほとんどない。
 心身医学でも心療内科でも”傾聴”といいます。
 
 人は話を聴いて(聞いてではない)もらえないと、自分をわかってもらっていないという孤独を感じます。歳を重ねて孤独に耐えられるようになってくればよいのですが、20歳代ではまだその孤独にはたえられません。つまり、つながりのない世界にいるのとおなじになってしまします。
 文明としての繁栄を享受できても、心の豊かさを築きあげていくことは別なことのようです。
 家族という役割もここにあるのでしょう。


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2008年8月7日(木)

自由であるということ

 ”皇居は広くていいな。そんな広い庭がある家に住みたい”
 と、こともあろうに家族からこんなはなしがでる。
 本当にしつけのなっていない家だ!!、とわれながら、自分のふがいなさに落胆する。
 ”じゃ、皇居にすんでみたら”といってみた。
 すると
 ”えっ?できるの?”
 そこでこう答えた。
 ”皇居に住んで、3度3度の食事も全部ついているんだけど、ただひとつ自由にならないことがある”
 ”それは?”
 ”それは皇居の外に出てはいけない”
 ”いやだなぁ。そんなの。自由じゃないもん”
 ”でもそうやって暮らしている人がいるんだよね”
 ”・・・・・”
 自由であることの楽しさと、それを守るために自分がするべきことがわかったのだろうか。
 わからないですね。皇居に住んだことがないなら。自分も含めて。
 


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