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2010年10月8日(金)

相談の電話

時々病気の相談の電話があります。

 ・・・という病気でこまっているが、この病気はどのようにしたらよいか、とか。

医師として当然のことながら、きちんとしたお話もしたいし、病気のことについてしっかりと理解してほしいので、お話しします。

電話の向こうで”ありがとうございました”、と言って電話を切られます。

・・・・・

これで、終りなのです。

 もちろんありがとうございます、といっていただける。

しかし、名乗らない。

 それで当クリニックに受診していただけるかどうかは、わからないけれど、当方としてはお困りになっていらっしゃるからと思い、人としてお答えしています。

電話というのは診療中にもかかってきます。当方の診療は、そんなことおかまいなしということでしょうか。

それから、よくあることは一般論を話してもあまり意味のないことも多いのですが情報不足でそれ以上の話ができないこともあるのです。なかには親切なのか興味本位なのか、自分の知り合いの病気について聞こうとなさいます。

とはいえ、差し支えのない範囲でなんとか必要なことをきちんとお話しているつもりです。

たとえば:

・・・という病気は・・・という原因で次第に・・・が悪くなってくるが、治療によってコントロールされれば、ほぼ普通と同じ状態で一生を送れます、なんてお答したとします。

 

すると電話の方は

ほぼ同じ状態で生きられるらしい。

と理解するらしいです。ある種のインタビュー番組の編集の様に。つまりアンダーラインの前置きはいつの間にか消え失せて、都合の良い部分だけを理解しようとする。

理解というのはそういう限界があるのです。都合のよい理解しかしないという人間の性質です。

 

・・・・・・・・・・・。 

賢明なかたは、電話で相談することはまずないと思います。 なぜならその情報が確かかどうか、また自分にあっているかどうか、それがわからないからです。そして電話による業務中断をするようなこともはばかられると思うでしょう。

医療機関の看護師にしても、聡明な看護師は上記の質問を受けた時に、医師に相談するでしょう。 または受診してお聞きください、と返事するでしょう。このとき、”電話で相談する”ようなかたはこのような対応を、時に、不親切と思うこともあるでしょう。

 もうひとつ。受診者が医師の知識を共有するということで、医師の診療報酬が存在します。 知識を得るのにある程度の費用はかかるものです。初診料は保険をつかって820円です。ほとんどの医師はどのような場合でもそれなりに丁寧に説明すると思います。 

最後に:電話での知識のもとに行動した結果、不幸な転帰をとったとき、その責任は医師にあるのでしょうか。場合によってはあるでしょう。しかし医師の状況(電話での対応は善意なのか義務なのか、奉仕なのか、は不明です)もすこしばかり理解してほしいものです。

このようなことを理解していたら、電話で相談なんてないんですが・・・・。