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2009年3月7日(土)

医療ニュース:歯磨きでインフルエンザ予防?!

インフルエンザ対策で”ためしてガッテン”に紹介されたそうである。

 歯磨きを励行した群(ケース)とそうでない群(コントロール)で比較したところ、励行した群でインフルエンザの発生がコントロールに比べ有意に低かったという結果である。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090306-00000002-cbn-soci

 この場合、委員会の方々もそうそうたるもので、アカデミックな権威がついていて、NHKも賛同したのだろう。前向きコホートとして考えられた。

 この研究はいわゆる探索的研究の部類に入る。これによって結論づけることはまだできない。すなわちサジェスティブな示唆の域を出ない。論文として発表されても追試されていない。

 治療効果、すなわち結果に対する介入を行う研究で、記述的に結論づける場合はいわゆるランダム化比較試験(RCT)以外にない。結論を得るためには対象と介入(歯磨き?)、結果(アウトカム)をきちんと測る必要がある。このきちんと測るという操作は、たとえば

1)対象:どんな対象者か?高齢者なのか、成人なのか、児童なのか、そのミックスなのか。それらの方々に必ず書面でこのような試験をするのだというご許可をいただかないといけない。

これを何人選ぶか。そのためにはインフルエンザの発生頻度から計算されなければならない。好きな数だけとか集められるだけとか費用の限界だからとかという理由で集めるべき人数が制限されてはならない。

2)歯磨き:なにをもって歯磨きとするか。どのような行為を歯磨きとするか。歯磨き粉をつけるのか、いつするのか、1日何回するのか、1回何分するのか、誰がするのか(本人か、介護者か)などを詳細に決定しなければならない。そしてそれを確認しなければならない。それをいつからするのか。冬の間だけかどうか。虫歯だったらどうするか、糖尿病や喫煙についても交絡因子として検討しておかなければならない。

3)結果:インフルエンザの感染をどのように判定するか。なにをもってインフルエンザと考えるか。 発熱か、ウイルスの同定か、以前の抗体がある場合などをどうするか。A型かB型かなどもふくめて。

 などなど。

これらの試験に耐えて”歯磨き”が有効であれば、初めて歯磨きがインフルエンザに有効と結論できる。

今回のスタディが話題提供と考えればそれですむことではあるが・・・。 

 この話題だけでないのだが、治療介入の効果はRCT以外には決定できない。にもかかわらず、調査(日本ではこれも研究といわれてしまう) や後ろ向き研究などで治療介入の効果を結論づけてしまうことがおおい。

 


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