糖尿病治療におそらく画期的な薬剤が発売されました。
DPP4阻害薬という薬剤。
インシュリン分泌は食事の刺激によって急激に増大することが知られています。その刺激はDPP4という酵素によって急速に減弱します。この酵素の分解を抑えれば、DPP4の活性が長続きし、インシュリン分泌刺激が強くなり、インスリンがたくさん分泌されるというしくみです。
利点は低血糖がほとんど起こりにくいということです。これは食事前の余計な空腹を緩和させます。いままでの経口糖尿病薬の代表としてSU剤(アマリール、ダオニールなど)がありますが、このSU剤を使用している方では食前の空腹がつよいので、結果的に食欲が増大し、食べてしまうという欠点があります。DPP4阻害薬はこのような”副反応”ともいうべき食欲増大をおさえます。
ただし体重はあまり変化ないといわれています。
もうひとつ新薬:GLP-1という注射薬。これはまだ発売されていません。治験中です。
これはこれまでの治療体系を覆す可能性があります。1日1-2回から1週間に1回程度でも可能になるかもしれません。初期糖尿病にも十分効果があるようです。糖尿病の初期治療から注射薬を使用することになるかもしれません。
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糖尿病(Wikipediaなどもご参照ください)
完成していません。随時加筆いたします。
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糖尿病とは:糖尿病というのはインシュリンの作用不足によってからだの栄養が十分いきわたらないためにおこる病気です。
インシュリンは体を構成している細胞に栄養(糖分)を運ぶ働きがあります。インシュリンの作用不足によって細胞の栄養が減り、その結果さまざな合併症を起こします。
特に全身の血管が障害されてしまうためにほとんど全身に合併症が及びます。合併症として多いものは心筋梗塞、脳卒中、壊死、神経障害、失明、腎障害・透析などです。糖尿病のこまるところはほとんど症状がないことです。症状が出た時には95%障害されているといわれています。
頻度:厚労省の調査では1470万人。50歳以上の男性では4人に1人が糖尿病と言われています。今や国民病となってしまいました。基本的に体格は無関係です。以前のような”贅沢病”としての糖尿病ではないということです。このような背景にある様々な考えや推論、報告、仮説をいくつかあげてみます。
1)長生きするようになった:日本人の余命が全体として伸びたために、高血圧やがんなどを含め、”成人病”に遭遇することが多くなった。
2)治療がおこなわれるようになった:完ぺきではないまでも治療がおこなわれるようになり、糖尿病、高血圧、脂質異常などを合併しながら長生きするようになった。
3)食生活の変化:食べるものがない時代から飽食の時代になった。しかも高カロリーの食品が豊富になった。
4)ストレスにさらされることが多くなった:生きるか死ぬかという時代から、どのように生きていくかという生活のクオリティを求められるようになった。そのためにストレスを多くうけるような環境も多数生まれた。その中で死なないまでもストレスを受けながら”我慢して”生きていかねばならないことが多くなった。インスリンの分泌能はストレスによって大きく変化することが知られています。またストレスがインスリンの効果を減弱させる(インスリン抵抗性)ことも知られており、日本人の場合は食生活の変化もさることながら、このようなストレス社会の表れでもあるかもしれません。
5)遺伝的かつ環境的に長年にわたる糖代謝にたえるような体に生まれていない:母親が飢餓状態で妊娠した場合に生まれてくる新生児は糖代謝が少なくて済むように体ができていきます。しかしこの新生児が次第に大きくなるにつれ、環境の変化、食生活が豊かになることにより飢餓状態の生活から 一転して高カロリー食をいつでも食べられる環境になった場合、このような糖代謝で生まれてきていないので、糖尿病になりやすい。例:アフリカの糖尿病は大変大きな問題となっている。多くの場合30代で発症。しかもほとんど肥満ではない。
糖尿病の体格:糖尿病の平均BMIは23程度です。身長160cmで59kgくらい、170cmで65kgくらいです。ですから肥満ではない方が多いです。この背景には①以前肥満であったが糖尿病の進展とともに痩せてきてしまった。②すでに糖尿病がかなり進行してしまっている痩せている糖尿病の人も含まれている。・・・などの推測がされていますがはっきりしたことはまだ分かりません。わかっていることは太っていなければ糖尿病でないということにならない(痩せていても糖尿病になる)ということです。
糖尿病の性格:いくつかの報告があり、糖尿病性格というのがあるといわれています。しかし多くの患者さんで統計をとってみると糖尿病全体を代表するような性格傾向はないようです。とはいえいくつかの特徴もあるといわれています。ただし全員がこれらの性格傾向があるわけではありませんので、参考までに記載します。
1)感受性が豊かで細かい:表現力に優れているかたが多い。サトーハチローという作詞家がいましたが、彼は糖尿病でした。彼の表現力の豊かさは群をぬいています。これが糖尿病性格というべきかどうかはよくわかりませんが、糖尿病の患者さんの中に表現力に優れ、感情豊かなかたが多数見受けられます。この頻度が一般人口よりも多いかどうかはよくわかりません。一方で感情が豊かな分、感受性が高くて、人間関係で自分が傷ついたり、相手を気持ちの面で傷つけたりすることもあるようです。
2)声が大きい:これは聴力計で測定しても難聴なのではないのですが、自語強声といって難聴の人と同じように声が大きくなる傾向があるようです。自語強声が性格かといわれるとすこし?ですが、このことが人を説得したりするのに役立つ場合もあったりして社会的地位の高い人も多いといわれています。逆にこのことが人に指図を与えるという印象となりるために、 人間関係がぎくしゃくしてしまう人もいるようです。
治療:
どんな治療法(食事、運動、薬物)も続けることが大きな目標!!
だからこそ続けられる目標を立てよう。
糖尿病の治療の本質は食事療法と運動療法です。この治療法をうまく生活に取り込むことが糖尿病の予後(見通し)を左右します。糖尿病は薬で治すのではありません。薬物療法は食事療法、運動療法の上に成り立っています。
食事療法、運動療法が糖尿病治療の80%以上を占めるといわれています。このために多くの治療者(医師、栄養士など)があまりに力を入れすぎたり、また患者さんが一生懸命しすぎたりして、結果として食事療法、運動療法が続かなくなることが大変多いです。
食事も運動も続けることが大きな目標です。そういう意味ではまず続けられる食事療法、運動療法はなにかを考えたほうがいいと思います。最初から1400キロカロリー、運動10000歩毎日とかという実現不可能な目標を立てても挫折してしまっては無意味です。
食事療法:
糖尿病治療の根本です。これなくして糖尿病治療は語れません。高血圧や脂質異常は薬剤によってかなりコントロールされます。一方で糖尿病は薬剤 だけでは治療はできません。むしろ薬剤の役割は副で、主たる治療は食事療法です。しかしこの食事療法が大変難しい。しかも続けていかなければなりません。場合によっては好きな食べ物を制限されるという”苦痛”を一生続けなければならないと考えられています。その上、食べても食べなくても初期には症状がありませんか ら”すこしくらいいいだろう”みたいな安易な妥協が次第に大きくなって、食事療法が守れていない状況になります。
食事療法の基本は基本的には糖尿病食(表1-表6)を守ることです。しかし複雑すぎて継続ができません。医療従事者は糖尿病の食品交換表を理解し、運用しなければなりませんが、ごく普通の患者さんには理解することだけでも大変です。ましてや食事制限という”生きる望みを失うような”行為からは目をそむけたいのが心境です。
食事療法は継続できることが大きな目標なのです。食事療法のカロリーや糖尿病食を知っていても実践できなければ絵に描いた餅でおわってしまいます。食事も運動も人の手を借りて行う治療ではありません。食事はワイフが作ってくれるとか言って責任回避していてはいつまでたっても食事療法は身につきません。
そこで一切の理想的目標を捨てて、現実的に実行可能なことを考えましょう。できることから始めてみましょう。
食事療法基本の三原則:
これはあくまで目標です。すこしこんな気持にもなっていただけたらという願いです。
①食事を気持ちのはけ口にしない
まず第1に食事をどのようにたべているでしょう?皆様の食事はきっとおいしい食事に違いありません。しかし食事が多くの場合、1日のご褒美だったり、イライラのはけ口だったりしていませんか。満腹になることで気持ちの答え(ご褒美でも、いらいらでも)にしていませんか。
このパタンから脱却しましょう。最初はなかなかできないことですが、慣れてくればおいしいという部分とおなかいっぱいという部分が異なっていることに気が付きます。食事がおいしいということを十分にゆっくり味わいましょう。 おなかいっぱいというのが実は気持ちの答えでしかないことが多いのです。きもちのはけ口として食事をとらないこと。
②空腹になれよう!!
空腹こそが最高の調味料です。空腹を感じましょう。3度の食事をとらないこと(欠食)は良くないといわれていますが、45歳を過ぎてくると3度の食事では1度のカロリーが多すぎることもあります。また空腹にならないのに時間が来たからといって食べてしまったりします。これは良くありません。食習慣というのは慣れみたいなものもあって、昼ころ食事をしていると昼ころ食べたくなります。昼食をとるなとは言いませんが、昼に食事をとらなくなると食事しなくてもよくなってきたりします。
空腹は大変気持ちの良いものです。食べてしまうと気持ちの良さが吹っ飛んでしまうこともあります。食事をあまりとらない人は空腹に慣れているのとそのほうが気持ちがよいことを知っているからです。一般には満腹が気持ちがよいと思っているかもしれません。確かに満腹は気持ちがよいように思えます。しかし飢えていない限り空腹も気持ちの良いものです。実際に空腹になれると食後に後悔したりします。食べ過ぎた後悔ではなく、空腹を破ってしまった後悔です。いずれ食事にありつけるわけですから空腹の気持ちよさを満喫しましょう。でもこの気持ちになるのはかなり時間もかかるようです。
③言い訳をしない。1日だけでも言い訳しない生活習慣をしてみましょう。
都合のよい言い訳をいつも考えているのが人間だ、という人がいます。確かにその通りのように思えます。宴会があったからとか、付き合いでとか、ご飯がおいしくてとか、夜が遅いのでとか・・・。社会生活をしている以上仕方のない制限はつきものにしても、いつも言い訳ばかりだと治療の意義が薄れてしまいますね。しかしこれはある意味では正常で、食べたいものをたべたりするは正常な行動パタンです。
このパタンをどう打ち破るのかはそれぞれのモチベーションにもよると思うのですが、大切なこととして”言い訳している自分”を見つめてほしいのです。
仕事では一切の妥協を許さないプロのビジネスマンでも食事についてはいつも言い訳ばかりというのはどうでしょうか。自分の食事パタンが仕事で妥協しないことのはけ口であるようなことは数多く見受けられるのです。いけないけないと思っていてもついつい食べてしまう・・・というようなことを毎回毎回お聞きするのは決して苦ではないのです(私も医者のはしくれですから)。でもそれを是正できるのは私ではなく、治療を必要とする患者さんご自身なのです。
そこで、今日1日だけ何かの目標を持ちましょう。言い訳しないで済む目標:間食しないとか、アルコール飲まないといか、ご飯は食べ過ぎないとか・・・。今日1日だけでいいのです。生活習慣に言い訳しない1日。それを目指しましょう。 明日以降はわからないけれど、今日はそう決めたから、それを守ると。1日くらいは皆さんおとなですから生活習慣の一つくらい守れますね。さあ、何かを決めて”言い訳しない”1日を始めてみましょう。
食事療法の実際:
1)炭水化物、脂質を極力減らす。米飯、パスタ、ラーメン、清涼飲料水、アルコール、揚げ物、お菓子。これらが炭水化物、脂質の代表です。計算上は1日250キロカロリー(米飯1杯分) を毎日減らせば1か月に1キログラム減る計算になります。しかしこの通りいきません。少しカロリーを減らしても体は恒常性の維持のために吸収を増やして体重を維持しようとします。そこでこれをブレークするほど食事を減らさないと減量はできないのです。
(以下書き足します。)
運動療法:適度な運動療法は糖尿病治療に貢献します。運動療法の基本は”続けること”です。続けられる運動を選ぶことというべきでしょうか。ジムに行くこ とが運動ではありません。運動は座っていても横臥しても可能です。どこでも運動はできます。着替えなくてもできます。適度なやる気とそれを続けていく気持 ちです。人間はこれが難しいのです。シェークスピアも”志は最初だけは大きい”と言っています。”運動するぞ”と意気込んでも3日坊主であることは糖尿病 の方でなくても人間だれしも経験することろです。
運動療法の目的は”続ける“ことでした。続けるための工夫をいくつか記載します。
1)体を動かすことを好きになりましょう。好きな運動をしましょう。
2)自分の体力の3分の2でやめましょう。
3)下手でも劣等生でもかまわないと思うようにしましょう。
4)目標をあまり高く持たないようにしましょう。
薬剤:糖尿病治療のために薬剤が数多くありますが、食事と運動なくして糖尿病の治療はありません。この点は他の生活習慣病と大きく治療の様相が違う点です。高血圧や脂質異常は薬の発達によって服薬だけでもかなり治療効果が期待できます。しかし、糖尿病はそうはいかないのです。
ぜひとも良好な食事療法、運動療法を身につけて、糖尿病に打ち勝っていきましょう。
治療の指標:適正な体重を維持する。この一言に尽きます。では適正な体重とはどのくらいか。これははっきりしていませんが、経験的にはBMI22程 度であると考えられています。160cmの身長であれば56kg、170cmの身長であれば64kgくらいです。痩せすぎも太りすぎもあまりよいことでは ないと考えられています。
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メタボリックシンドローム ―21世紀の生活習慣病―
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メタボリックシンドロームとは
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1) 肥満(正確には内臓肥満)ウエスト男性>85cm、女性>90cm
2) 高血圧(上の血圧>130または、下の血圧>85)
3) 高脂血症(中性脂肪>150またはHDLコレステロール<40)
4) 糖尿病ないし耐糖能異常(空腹時血糖>110、HbA1C>5.8または、食後血糖>140)
などの疾患を併発ないしその予備軍を含めた病態を併せ持つ症候群です。それぞれの重症度はそれほどでもないのに、2つ3つと重ね合わさると動脈硬化への影響は数倍から十数倍になると考えられています。現在その診断基準が策定中ですが、上記の条件を一つでも満たす場合は、メタボリックシンドロームの診断されたことになります。
メタボリックシンドロームは上述のように動脈硬化と最も関連が強いと考えられています。そのため生命予後を含めた将来的な生活のQOLを規定する大きな疾患群といえます。いわゆる生活習慣病として高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病がありますが、それらは単独で発症するよりも複合的に発症してくくることが多く、メタボリックシンドロームとほぼ同様な疾患群と考えてもいいかもしれません。
病気の本体はインスリン抵抗性であると考えられています。インスリン抵抗性とはインスリンの作用しにくい状態です。この病態にはアディポネクチンとかPPARγといわれる物質が関与しているようですが、いまだに研究段階です。
メタボリックシンドロームとしてはっきりわかる兆候は内臓脂肪です。したがってウエストが85cm(女性は90cm)以上であれば、どんな身長であれ、メタボリックシンドロームであると考えても過言ではないようです。
治療はそれぞれの疾患を単独に治療するのはなく、総合的な診療が必要です。
1) 生活習慣改善のための行動変容プログラムとその支援
2) 適切な薬物による治療
3) それらの総合的コンサルティング
メタボリックシンドロームの治療の本質は生活習慣改善です。この改善なくして良好な治療結果を得ることは不可能です。生活習慣は短期間変えれば良いのではありません。より良い生活習慣に変容するような長期的なビジョンを必要とします。そのためには生活習慣改善のビジョンを共有できるスタッフと共に少しずつ改善して、無理のない行動変容がもっとも効果的です。その意味ではその方々の生きている本質に迫る診療を医療スタッフ側は要求されていることになります。
メタボリックシンドロームの診断基準をみて頂きますとわかりますが、おそらく多くの方があてはまり、またはその候補であると思われます。メタボリックシンドローム克服こそがより良い老後のために欠かせない条件です。
今後の動向
診断基準は2010年ないし2011年に改定される可能性があります。
疫学データでは腹囲と心血管系合併症発症に関係があるとするもの、ないとするものなどいまだに決着をみていない部分もあります。ただし疫学的方法論の問題もあり、今後の議論が必要です。
栄養指導、栄養相談日は第2水曜日です。
糖尿病の方、肥満で困っている方、メタボリックシンドロームの方向けです。
状況に沿ったご相談をさせていただきますので、お気軽にお見え下さい。
栄養士が丁寧に対応させていただきます。
ご予約いただけると幸いです。
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内臓脂肪の蓄積を予防する夕食についての五箇条
夕食を制する者は、内臓脂肪を制す。
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